そして明日は
AM6:50

久々に寝過ごした沙雪はまず自分の尻の方へ手をやり、濡れていない事を確認するとホッとした。

幸平はもう出社していったのだろう。隣に寝ていたはずのシーツの所にぬくもりはない。

そこのシーツも濡れてはいなかった。

こどもの頃は、おねしょをすると生きていた祖母が庇ってくれた。

そして始末をしている祖母の後ろをついて歩くと、ポケットから飴をだしていうのだ。

『さぁちゃん、お薬あげるよ。これはただの飴玉じゃないからね。噛まずにゆっくり溶かして舐めるんだよ。そうするとだんだんおねしょしなくなるんだよ。』
その時は怖くて一生懸命に唾で溶かして舐めた。

祖母のお薬はたくさんあって、お腹が痛い時や怪我をした時にもくれた。

確かにそれはよく効く薬だったのだが、今の薬は何だろう。
煙草かセックスか。
下腹部に嫌な痛みを感じ、そっとそこを撫でてみる。

< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop