そして明日は
電話が鳴っているが、面倒くさいのでそのままにしている事にした。

留守電に切り替わると母親からの電話だった。

『もしもし、お母さんだけど、また松美おばちゃんから桃が届いてるから後で持っていくわね。』


いつもうちの母親は急でこちらの都合はまったく無視だ。
嫌いではないけれどこうやって娘の所にくるのは、きっと兄嫁といるより私といる方が気が楽なのだろう。

食器を片付けたら、母親がくるまで買い物までしてこよう。
駅からバスで10分のマンションは、母親の家からバスで20分。

月に二度程母親はバスに乗ってやってくる。
来ては何をする訳でもなく、昼ごはんを食べたりお茶をしたりしてたわいもない話をするだけ。

そしてお決まりのセリフを吐くだけだ。《そろそろ孫の顔も見たいわ。》



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