そして明日は
小嶋幸平は福島の実家から大学進学と同時に上京し、卒業後もそのまま実家へ戻らず就職についたのだった。

彼女がいる時はたまにご飯を作ってくれたりもしたが、ほとんど外食ばかりだった。

今までの彼女は大して付き合った期間はあまりないものの、やれクリスマスだ誕生日だとイベント好きで金のかかる彼女ばかりだった。


だからなのかもしれない。

沙雪を意識し、結婚まで決意した。


沙雪は今までの彼女にはまったくないに等しい家庭的な部分があった。

聞けば父親は小さな頃に事故で亡くなり、母親１人で育ったのだ。
そんな彼女がとても可哀相でもあり、愛しく思えた。

そして結婚して１年何事もなく幸せな夫婦生活が、いつからこんなに重く苦しくなっていったのだろう。


ふと幸平は腕時計に目をやるともうすぐ昼休みが終わる時間だった。

重い腰を上げ会社へと向かった。


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