会いたいとおもえば、


仕方ないとでも言うような表情で僕を見ていた。

「聞き間違い?」


「間違ってない。
風俗。ナンバー2に入ります~。」

わざとおどけて言う彼女は何処かカランとしている。

何も入ってないような、
気力のないような。


僕は心底驚いた。

まさか風俗だったとは。

暫く唖然として彼女を見ていると、
彼女はいきなり真顔になった。


「金、くれるなら寝てあげるよ」


「何言ってるんだ」


「あんた今、品定めしてる目してた」


少し傷ついた様な表情を見せたが、直ぐに真顔に切り替わる。


彼女はいつもこうしているのだろうか。


自分を隠しているのだろうか。



「どうすんの?
やるやらないどっち?」

自嘲気味の様な表情で僕に問う。


僕は別に品定めをしたりしていなかったのに


ただ驚いていただけだったのに。


彼女は、
もしかしたらそういう男とばかり寝ているのかもしれない


いや、仕事上そういう奴らしか居ないのだろうが。



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