Frist time


数学の授業が終わるとすぐに、亮が飛びついてきた。


「お前、さっき何してたんだよ?
授業中に入ってくるなんて馬鹿だなー
俺ならその授業間違いなくサボるし!」


腕組みをして自信満々に答えてるけど、別に威張れる内容じゃねぇし。


「なんでもいいだろ。
それよりお前、今日の昼休み暇か?」


「あ?もちろん暇だけど。
昼練でもすんの?」


「いや、ちょっとさ…」



キーンコーンカーンコーン


丁度良く授業開始のチャイムが鳴ってくれた。
亮にあの子を探しに行きたい、なんて口が裂けても言えない。


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