Frist time


教室を隅々まで見渡してみるが、玲菜らしき人物はいない。

仕方ない、次回るか。


「次行くぞ」

「あいよー」



次にたどり着いたのは2組。
2組には静かな人が結構集まっているって話を聞いたことがある。

ガラッと勢いよく教室の戸を開けると、クラスの大半が勉強をしていたらしく、一気に視線が俺たち二人に注がれた。


「「…失礼しましたー」」


二人そろってそろりと教室から抜け出した。
静かだっては聞いていたけど、あれほど居づらいクラスだとは。


はぁーと同時にため息を吐きながら廊下を歩いていると、周りからの視線を感じた。

いつもは教室にこもったり、体育館でバスケしてたりの俺たちが、昼休みに廊下にいるのは確かに珍しい。

…でも、はっきり言って迷惑極まりない。

< 102 / 154 >

この作品をシェア

pagetop