Frist time
しばらく考え込んだ後、亮は目を大きく見開き、ぽんと手を叩いた。
「思い出した思い出した!
あの子一時期有名だったんだよな。
…確かにヤリマンだとかで」
「は?!あの子が?
…お前、それはないだろ」
俺は亮の言葉に耳を疑った。
あんな子がヤリマン?
どう考えてもありえねぇだろ。
「いやいやまじだって。
入学したては髪も明るかったはずだし
…あんまいい噂聞かねぇよ?」
本当かよ?
何かの冗談じゃねぇのか?
俺が知ってるのは穏やかで、優しく笑う、超がつくくらいのいい子。
なのに…
「おい!翔?!」
俺は玲菜の方まで歩いて行き、近づこうとした。
そうしたら途中で、玲菜が俺の存在に気付いた。
驚いた顔をしたが、まるで知らない人かのように目を反らした。
なんなんだよ、意味わかんねぇし。
あんなやつ、どうでもいいわ。