Frist time


俺は玲菜とのことを正直に話した。
宏なら真剣に聞いてくれる、そう思えたから。



「…そんなことがあったのか。でも確かに、あの子のいい噂は聞かねぇな。」


「やっぱか?
…でも俺が今まで屋上で話してきた感じと比べると、その玲菜の噂はどうしても信じらんない。」


俺が窓の外を見ながら盛大にため息をつくと宏も、ぐだりと身を机の上に投げ出した。


しばらくそうしていると、宏が何を思ったかいきなり顔をガバッと上げた。



「…翔、その子のこと好きなのか?」



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