Frist time


「絶対、ありえねぇよ」


俺は短く、そして少し不機嫌に答えた。
どうしても玲菜にシカトされた時を思い出すとイライラする。
この気持ちをどう処理したらいいのかわかんねぇ。



俺の気持ちを敏感に感じとったのか、宏は静かに席を立ち、


「もう一回話してみれば?
何か変わるかもしれねぇよ?
止まってちゃダメだって教えてくれたのは、お前だったけど」

そう言って宏は何処かへ行ってしまった。


宏の言葉が俺の中にじわじわと広がっていく。



決めた。



もう一度、話してみよう。
噂なんかじゃ何も分かんねぇよな。

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