Frist time
屋上には雪が少しだけ積もっていた。
周りを見渡して見るが、薄暗くて良く見ることが出来ない。
仕方なくポケットに手を突っ込み、前を確認するために歩きだす。
一歩一歩踏み出すとそれに合わせるように、ギュッギュッと雪を踏みしめる音が鳴る。
歩きながら耳を澄ましてみると、俺の足音に混ざって誰かの鳴き声のようなものが聞こえる気がする。
不審に思い、前に進んでいくと、暗闇に慣れてきた目が見覚えのある後ろ姿をとらえた。
…玲菜だ。