Frist time
次の日、俺はいつもどおりに振舞っていた。
俺が落ち込んでたら話してくれた宏がもっと落ち込むと思ったから。
昼休み中にあったミーティングを終えて教室に着いた途端、背中に亮が飛び乗ってきた。
「おっ疲れ~い、翔くん!」
「おい!お・も・い!なんだよ。」
いつでもどんな時でも、こいつは本当に元気だ。今は正直ちょっと、いや、かなりうっとおしいため、肩越しに亮をギロリと睨む。
でも亮にはもちろん全然効いてないみたいで。
「なあー、今日放課後の部活休みじゃん。そのー、放課後俺に付き合ってくんない?」
すんごい胡散臭い笑顔付き。
俺はその何か企んでるような嫌な笑顔に顔を歪めたが、実際何も用事がなかったし、とりあえずいいかなと思って軽い気持ちで答えた。
「あー、別にいいけど。
んで何すんだよ?」
俺がそう尋ねると、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせて、
「今メールしてる子がいるんだけどさ、会いたいって言われちゃって。んで1回会おうってなったんだけどー・・・
一生のお願い!一緒に来てくんない?」
亮は二重の大きくてキラキラした目を最大限に活用しながら、俺に懇願してきた。
・・・まじかよ。
あの胡散臭い笑顔をもっと警戒するべきだったとため息をついたのは言うまでもない。
なんで俺、いいけどなんて言っちゃったかな。数分前にタイムリープしたい。