Frist time
第3章
宏にあの話を聞いてから早一週間。あれからどうなったかは分からない。
俺もわざわざ聞き出すようなことしないし、宏も何も言ってこない。きっと、何かあったら宏の方から話してくると思ってる。
「「お疲れっしたー」」
今日の部活も終わってあとは帰るだけ。なんだか最近気分が乗らないせいか部活の調子も良くない。
監督に結構ダメ出しされちったなあ。部活の時くらいちゃんと切り替えねえと。
「翔!この後さきちゃんと会うんだけど、お前来れる?」
また部活で疲れている俺に乗っかってきやがって、この幸せボケめ。
「なあんで俺が行くんだよ。完全に俺お邪魔だろうが。」
「いやーそれがさきちゃんがなんかお前に用らしいんだよなー。俺も詳しく聞いてないから全然内容知らないんだけど。」
「はあ?なんで俺に。」
「俺も分かんないよー。でも俺のかわいい彼女の頼みだから!な!」
あー宏じゃなくてもラブラブなリア充の話聞いてんのは辛いわ。さりげなく彼女褒めるようなセリフとか入れなくていいから。
「あーわかったよ!わかったからそんなにくっつくな!」
背中にピッタリくっついていた亮を無理矢理引き離して着替える準備に入った。