Frist time


その後梨華ちゃんと宏の話とかをして、そろそろ帰ろうということになった。
梨華ちゃんがさきちゃんに連絡を取っている。どうやら梨華ちゃんはさきちゃんと一緒に帰るようだ。


「じゃあ、今日は本当にありがとう。」


「あ、待って!

連絡先、交換しない?俺でよかったらまた相談のるから。」


梨華ちゃんは俺の発言に最初はキョトンとしていたけれど、すぐに「いいよ」と言って携帯を出してくれた。
その時の笑った顔がとてもかわいくて。


「本当にありがとう。また相談のらせてもらっちゃうかも。」


そう言って軽く手を振りながら走っていく梨華ちゃんの後ろ姿をぼーっと眺めてた。




自分の握りしめた携帯のアドレス帳の中には


「土屋 梨華」




別に特に意味はない。相談にのってあげたいって思っただけだし。ほんと、それだけだし。

でも、このことは宏には内緒にしておこう。



















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