Frist time


俺らのクラスは2組。
クラスがある廊下に来ると、廊下に出て話している人がちらほらといるのが見えた。俺と亮が着いたのはそんな早い時間ではない。部活だったら早めに行かなきゃって気になるけど、普通の授業とかであれば、ギリギリでいいかなっていう考えだったから。自転車通学だから遅れるなんてことも寝坊しない限りないし。


教室の前に着くとドアが開けっぱなしにされていて、もうすでに人がいっぱいいるのが見えた。アドレス交換をしている声が聞こえてくる。


俺達が教室に入ると、なぜかクラス中の視線が一気に俺達に集まった。


・・・んーなんでだ?
俺、注目とかされんのとか苦手なんだけどな。

内心げんなりした俺を尻目に、亮はそんなことを全く気にしていない様子で教室の中へ入っていき、教卓の前の黒板に張られている座席表を確認していた。



「翔!お前そこだってー!」



お前、声でかいっつの・・・。内心呆れている俺の気持ちなんか知らずに大きな身振りで俺が座る席を指さしている。
本当に本気で勘弁してほしい。


「わかった、わかったから落ち着け。」


なんとか亮をなだめて席につかせて、俺も自分の席について。
どさっと座った途端、隣の女子がきゃっと悲鳴をあげる。


俺はそんな声を無視して携帯をいじり始めた。いちいち反応されても困るっつの。
すごくイライラしているのを隠しもせずに全身に負のオーラをまといながら、担任が入ってくるのを待った。





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