Frist time
試合が終わった後のロッカールームでは、みんなが下を向いて黙っていて、マネージャーだけが1人泣いていた。
その時俺は現実を受け入れられなくて、呆然としていた。まさか、まさかうちの高校が予選落ちだなんて。
俺たちが負けた相手は今まで地区の中では3番目くらいの強さだったが、今年からバスケ部に力を入れ始めたらしく、バスケの推薦を多く取っていた。俺もそこから推薦がきたが、もちろん断った。
でもそこは俺の公立高校と違って私立高校で、学費免除や寮がついていたりして、条件がすごく良かったため、私立単願にして流れる人が多かったんだろう。俺と同級生のやつがメンバーにいることは確認していた。
でも、ここまでやるとは。いや、ここまでやられるとは。
「・・・情けねえ」
誰かがそうぽつりと呟いた。
本当に、小さく。
それを皮切りにロッカールームに波紋が広がっていく。
「お前らどうしてくれるんだよ!俺たち3年はこれで終わりなんだぞ!?」
「そうだよ!これじゃ推薦もらえねえじゃねえかよ!」
「・・・すみませんでした。」
3年生が2年生をののしり、ロッカールームはすごい騒ぎになっていた。
俺は止めることも出来ずに突っ立ってるのが精一杯で。どうしようも出来ない自分を歯がゆく思った。
「・・・止めろ。
いい加減にしろ!!」
騒がしく気まずい雰囲気を切り裂いたのは近藤キャプテンの怒声だった。