Frist time
「お前らいい加減にしろ!
もう終わったことをぐだぐだ言っても仕方ないだろ。
今回の試合は、チーム全体を上手くまとめられず、みんなの士気を高められなかった、俺の責任だ。
みんなの気持ちが緩んでいることはもちろん分かっていた。でも、このままでも大丈夫だろうと油断していた。
・・・その結果がこれだ。
3年の言いたいことは最もだと思う。でも一番試合経験を積んでいる俺らが2年にきちんとしてやれなくて、何偉そうなこと言ってるんだよ。
これは部の全員で、きちんと受け止めなきゃいけない結果だ。2年は俺らと同じことにならないようにしてくれ。頼む。」
そう言って頭を下げた先輩の言葉を聞いて、内藤先輩が口を開いた。
「本当に自分たち2年がしっかりしていなかったせいでこんなことになってしまって、申し訳ありませんでした!
本当に、すみません・・・」
内藤先輩は溢れる涙を拭おうともせずに、3年生にきちんと向き合っていた。
内藤先輩の涙をきっかけに1人、また1人と泣き出した。もちろん、俺も。
3年生の先輩方と過ごした時間は短かったが、1年生の俺にとってはすごく大きな存在で。プレーだけでなく、人間性もとても魅力的で、チームにとってなくてはならない人たちだった。
そんな人たちが明日からいなくなる。
その実感が分からなくて、でも終わってしまったんだという事実だけが重くのしかかってきて。なかなか涙が止まらなかった。