Frist time



この暗い雰囲気の中、1番に声を発したのはなんとも意外な人物だった。


「先輩っ!俺先輩についてきてよかったです!このチームに入ってよかったです!」


近藤キャプテンの元へ駆け寄って行ったのは亮だ。亮は近藤キャプテンと同じシューティングガードで、一緒に練習する機会も多かったはずだ。だから、募る気持ちも他の人よりも多かったんだと思う。

亮の行動をきっかけに近藤キャプテンの周りにたくさんの人が集まりだした。


「近藤・・・お前は最高のキャプテンだ!」


「キャプテン!悪いだなんて思わないでください!」


「キャプテンは何も悪くないです!」


「キャプテン!」


「キャプテン!」


みんな涙声で、でもとても温かい言葉ばかりだった。



「・・・みんな、ありがとう。」


みんなの言葉に感動した近藤キャプテンが涙をみせた。


「キャプテン!

来年は絶対全国行きます!
俺たちが先輩たちの分まで、勝ち進めてみせます!」



内藤先輩は近藤キャプテンの前で堂々と誓った。




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