Frist time
第4章
地区大会が終わってから3週間くらい経った夏間近の昼休み、俺は朝練と4時間分の授業でくたくたで。いつも通り下敷きで顔をばほばほと独特の音を立てて仰ぎながら携帯をいじっていた時、机を人影が覆った。
ふっと顔を上げてみると、
「なんだ、宏じゃん。どうした?」
見上げてみると元気のない宏がいて。
暑さのせいで上手く働かない頭で宏がどうして俺の所に来たのか考えてみるけど、特に何も思いつかない。
なんだろ。
「・・・ちょっと来て。」
俺は宏に言われるがまま、いつものベランダへ向かった。
2人で並んで空を見上げるけど、前までの気持ちよさはもう全然なくて。太陽の光がまぶしすぎて思わず腕で顔を隠した。
「もう、ここ暑いなー。」
「やっぱ?んでも他に行くとこねえよなあ。
んで、どうしたよ?」
「昨日、駅で梨華に会った。」
正直、またきたか、って感じだった。