Frist time





あの日以来、どっちかが先に寝たりしてしまい、なんとなく毎日メールが続いていた。
俺にしてみればラッキーだ。願ってもない展開。


ただ、姉とか妹がいるわけでもないし、女心が分かるわけでもないし、ここからどうすればいいのかが分かんないんだけどね・・・










梅雨も明けた7月上旬の夜、いつものように梨華ちゃんとメールをしていた時、変化は訪れた。


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宏、元気にしてる?








画面を見て固まる俺。


正直俺は自惚れていた。最近ずっとメールしてるし、宏を少しだけだけど超えられたんじゃないかなって。
でもそんな期待はあっさりと、木端微塵に粉砕された。



・・・結構、きついな。




ベッドにばたりと倒れ込み、腕で顔を隠す。目も閉じて真っ暗な視界の中に現れたのは、笑顔の梨華ちゃんだった。

あの笑顔を俺に向けて欲しい。泣いて欲しくない。


どうしても、俺だけのものにしたい。






ベッドから身体を起こして携帯を手に取る。

携帯のアドレス帳から梨華ちゃんを探し、2、3回深呼吸をして、通話ボタンを押した。




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