Frist time



その話をするときも宏もいつも通りの宏で。


「別れちゃった」


いつも通りベランダに出ながら笑顔で宏がそう言うから。


「そっか」


そんなことしか言えなかった。正直、今はもう宏が何を考えているのが分からなかったから。
俺が悶々と考えている時、


「引っ越しする時期、決まった。」


宏がさらに爆弾投下した。おいおい、このタイミングでかよ。
げんなりして宏の方を向くと、したり顔の宏がいて。


「まあそういう顔すんなって。分かってたことじゃん?
んで時期だけど、2学期からは新しいとこだって。夏休みいっぱいはこっちにいるからさ、いっぱい遊ぼうぜ!」


そう笑顔で言ってくれる宏のことがやっぱり分かるようで全然分からなくて、とりあえず宏の肩に強めにパンチを決めておいた。



あと1ヶ月か・・・





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