Frist time



「うわあ~また負けた~」


「さすがに梨華ちゃんには負けないわ。」


意外にもゲームにノリノリな梨華ちゃん。見た目がすごく女の子っぽいから初めは分からなかったけど、割とがっつがあるというか、いつでも元気いっぱいでパワフルだった。

弟がいるらしく、よく一緒にゲームをやるからゲームに対して抵抗がないらしい。むしろ好きみたい。




「もう一回やろうよ!次こそ勝つから!」


「いいけど、負ける気がしないね。」



ところがなんとなんと、ラスト1周まで俺の後ろにピッタリと梨華ちゃんがついてきている。今はレーシングゲームをしているんだけど、さっきまではコーナーでミスをしまくっていた梨華ちゃんがほとんどミスをせずに俺についてきている。


「うっそまじかよ。」


「負けない。」


梨華ちゃんの執念のおかげが、ぴったりはりつかれて集中力が乱れた俺は最終コーナー1つ手前でミスをして、インから綺麗に抜かれてそのままゴールされてしまった。


俺としたことが、女の子に負けるなんて。


「あーーまじかよーー」


そう言って床にばたりと倒れ込む俺。いやーまじでショックだし。


「やったー!勝てた!見たか!」


そう言って勝ち誇った顔で上から俺の顔を覗き込む梨華ちゃん。あーもう、くそ。可愛すぎるんだけど。

覗き込んでいる梨華ちゃんの後頭部に手を回し、ぐいと引き寄せた。





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