Frist time



週明け、学校に行っても授業に全く身が入らない。土曜の光景がぐるぐると頭の中を駆け巡ってる。
昨日も部活も酷いもんだった。切り替えないとって思ってるんだけど、どうも自分で思っている以上にきているみたいで。


ぼーっとして窓の外を眺めていると、どしんと俺の肩に重りが乗っかってきた。


「・・・こんな時になんなんだよ、亮!」


そう言いながら振り返ると半べそ状態の亮が。いや、まじで泣いてる?鼻水も垂れそうだし・・・何事?


「翔!たすけてくれえ~!」





話を聞くこと数分。どうやら、さきちゃんと喧嘩したらしい。
亮の話に寄ると、さきちゃんにメールをしても素っ気なくて、会える日も少なくて、亮が他に男がいるんじゃないかと疑ってしまったらしい。

でもさきちゃん曰く、ただ最近勉強と部活が忙しくて余り時間がとれなかっただけなのに、なんで疑うんだと怒っているんだとか。


「かなりキレてるんだよおー・・・

翔、俺どうしたらいいんだよおお」


まあよくある話だけど、ただ構ってもらえなくて寂しかったんだよな。かわいい理由じゃん。
しゃーないな。


「やったこと気にしてもしょうがねえじゃん。素直に謝るのが一番なんじゃね?
ただ寂しかっただけなんだって言えばさ、さきちゃんだって分かってくれるだろ。」


「そうだよな・・・

うん、俺ちゃんと謝ってくる。」


そう言って亮はすぐに携帯を握りしめて教室を飛び出していった。やれやれ、世話の焼けるやつ。



・・・でも、いいよなあ、そういうの。

俺も喧嘩とかだったらよかったのに。



また1つため息をついて、机に突っ伏した。



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