Frist time



その週の金曜日の部活で、次の日にある練習試合スターティングメンバーが発表された。


「じゃあ今から発表するぞ。

二年、内藤

長谷川

加藤

千葉

一年、佐竹。

次、ベンチメンバー・・・」



・・・うわ、まじか。今、俺の名前、呼ばれたよな?

ベンチメンバーが発表されている間も俺の頭の中は自分が呼ばれたことでいっぱいになっていた。
今の2年生は去年の先輩たちよりも個々で見ると上回ってるって言われてるくらい強いから、まさかスタメンになれるなんて思ってもみなくて。


よっしゃ!まじで嬉しい!!!


「佐竹、何ぼけっとしてんだ。
俺の話聞いていたか?」


みんなの視線が突き刺さる。どうやら自分のことに精一杯でコーチの話を聞いていなかったらしい。


「すいませんでしたっ!」


「お前が朝練も人一倍頑張っていたのを俺は知ってるんだからな。頑張れよ。」


「はい!ありがとうございます!!」


コーチが朝練をしていることを知っているとは驚いた。
でも、せっかくもらえたチャンスだ。これは絶対にきめてみせる。

俺はやる気に満ちていた。満ちてるどころじゃない。満ちに満ちに満ちに満ちまくっていた。





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