Frist time
相手チームは偶然にも、夏の大会で俺たちが負けたチーム。
さすがにいい選手が揃っている。
俺の目の前に両手を広げ、俺の行く手を防ごうと相手チームの一人が立ちふさがった。
隙がなく、ドンと構えている。
抜ける
そう思った俺は迷うことなくキュッとバッシュを鳴らし、相手の大きく開いた足の下からボールをバウンドさせて通し、俺は一人目をあっさりと抜いた。
そのままシュートをしようとゴールへ走るがまた一人、俺の前に立ちふさがった。
さすがに戻りが早い。
ちらと横目で周りを確認してみると、先輩たちが相手チームにディフェンスされ、タイミングよくパスを出せなそうだった。
なら、いくしかない。
もし外れたとしても、先輩たちならリバウンドを拾ってくれる。
俺の動きを警戒し、シュートするのを待ち構えている奴にフェイクをかまし、颯爽とドリブルで抜き、レイアップシュート。
俺たちのチームに先制点が入った。
湧き上がるベンチと応援スタンド。
応援スタンドには、女子バスケ部を始め、多くの応援が駆けつけていた。
俺の先制点をきっかけにチームが流れにのり、夏の大会の屈辱を返すように相手チームを大幅に引き離した。
この湧き出るような高揚感。
最高だ。