Frist time


宏は綺麗なくっきりとした二重の目をこれでもかというくらいに大きくして俺を見ていた。


「おはよ。
お前なんでここが分かったけ?
どんだけ俺のこと好きなんだよ。


俺とおんなじこと思ってるし。
さすがは宏。

「お前のことなんか、そんなに好きじゃねぇよ。」

俺はわざとこんなことを言う。そしたら宏も、

「俺だってお前のことなんか、そんなに好きじゃねぇよ?
女の子の方が好きー」

こんな風に宏と笑ってられるのも、こいつがいいやつだからだよな。
普通元カノを取られて、仲良くしていられない。
だから、宏には幸せになってもらわねぇとな。


「あのさ、俺、
梨華と別れたから」

「はあっ!?」

宏は突然の予期せぬ報告にかなり驚いている様子。
そりゃあそうだろうな。
でも俺たちの別れはこいつのため。
俺が宏の背中を押してやらないで、誰ができるってんだよ。


「俺、宏に梨華のこと幸せにしてやってって言われたけど、

やっぱり俺なんかじゃだめなんだ。

…梨華は俺じゃない、他の誰かを必要としている。


それくらい、誰だか分かるだろ?」


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