Frist time
「はぁ!?
お前何言ってんだよ!?」
次の日の朝、賑わっている教室に俺の声が響き渡る。
何をそんなに叫んでいるのかというと、ほんの数十秒前の、宏のとんでもない発言が原因だ。
「俺、梨華にまだ気持ちを伝えない」
まじ、なんなの?
「なんでだよ?
昨日の感じだとすぐ言うのかと思ってた」
「すぐ言うなんて、言ってねぇし?」
余裕の表情が更に俺の気持ちをかき乱していく。
俺ははぁーとため息をつき、頭を抱え込んだ。
「……まだ早いと思ってさ」
「は?」