Frist time


「俺は梨華に酷いことをしちまったから、都合よく動いたらだめだと思うんだ。

だから、もっともっといい男になって、胸を張って梨華に気持ちを伝えられるようになったら、

その時は梨華に自分の気持ち言うわ。

それに一応今は彼女いる身分だしな?
あいつにはかなり悪りぃけど。」


あいつなりの考えがちゃんとあったんだな。
まぁ俺からすれば、宏は十分いい男だから「今すぐいけ!」って言いたいとこだけどな。
やっぱ彼女のこともあるし、そう簡単には変えられないもんだな。


「そっか。
そういう理由ならいいんじゃね?
応援してるわ」


俺は笑顔で宏に答えた。
宏も安心したように顔を綻ばせて笑った。


3ヶ月後になるか、はたまた1年後になるか、先のことは分からないけど、二人が上手くいくことを心から願うだけだな。



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