Frist time


宏と話をした後、なんだか授業を受ける気になれなくて、サボるために屋上へ向かった。


俺、最近サボりすぎ?


だってドアを開けた瞬間に目の前に広がる大きくて綺麗な青い空。
これを味わったら授業なんてダルいよな。

太陽の光を直に浴びたくて、俺はコンクリートの床にゴロンと寝そべった。





ぼーっと空を見ていて気がついた。

なんだから満たされていない気がする。

宏を応援した今、俺にすることはもう何もない。
何も残っていない。


俺はこれからどうしたらいいんだ?

まるで風船がしゅんと萎んでいくように、一気にやる気も気力もなくなった。


心の中にぽっかりと穴が空いているみたいだ。



誰か…



「また泣いてるの?」



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