Frist time
床からがばりと起き上がり、声がした方を振り返ってみると、
「あ…」
「なんだ。
今日は泣いてないんだね」
そう言ってくすくす笑ったのは、俺が辛いとき、悲しいとき、なぜかきまって屋上に来るあの女の子。
今だにクラスも名前も知らない子。
なのに…なんか俺、
見下されてね?
「んだよ…別にいいだろ」
ぶっきらぼうに返事をして前を向くと、その子はストンと俺の隣に座ってきた。
本当になんなんだ?この子は。授業もサボりやがって。
まあ人のこと言える立場じゃねぇんだけど。
「空…見てたの?」