Frist time
「…まぁな。
なんか落ち着くっていうか、元気が出るからな。」
「それはよかった。
あたしが前に言った通りでしょ?」
目の前から降り注ぐ太陽の光に負けないくらい、輝かしい笑顔を見せた。
この笑顔に思わず胸が動く。
…本当になんだってんだよ。
そしてこの子独特のゆっくりとした話し方と、風に流されてふわりと香る甘いお菓子のような匂いのせいか、俺の気持ちは落ち着いてきたことに気づいた。
「…なぁ。
お前、好きな人とかいんの?」
なんで俺はこんなことを聞いているんだろう。
今日の自分の行動がよく分からない。
でも俺が突拍子もない質問をしたにも関わらず、あいつは優しく微笑みんでくれた。