恋愛倶楽部【番外編】
空が綺麗だね。
赤から蒼黒に変わるグラデーションは、わずかな時間しか見れないんだよ。
キミも少しは、空でも眺めたらどうかな?
話をそらしてるわけじゃないよ。
何から話してほしいのか、言ってくれないと話せないじゃない。
んー‥初恋から話せって?
それは無理な話だね。
初恋なんて忘れちゃったよ。
いつだったかな。
嫌だなぁ、誤魔化してなんかないよ。
本当に覚えてないんだ。
じゃあ、付き合ったことはないのかって?
いや、あるよ。
初めて付き合ったのは、中3の春くらいだったかな。
だったら、どうしてそれが初恋じゃないんだ。
今、そう言いたそうだね。
口元が中途半端に開いてる。
そんな慌てて引き締まった顔しなくたって、からかったりしないから安心してよ。
安心できない?
え、今からかわれてる気がする?
違うよ、“まだ”からかってない。
さて、さっきの話だけど。
相手は1つ年上でね、綺麗な人だったよ。
かといって、好きというわけじゃなかったんだけどね。
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