恋愛倶楽部【番外編】



あ、あのっ、落ち着いてください。

あまり大声をあげると、周りの通行人さんが何事かと驚いてしまいます。



たぶん、雑誌なんかに載っていると思いますよ。


今度探してみてくださいね。

名前は内緒なので、この人かなって予想しながら。




今では、私は彼の相談役なもので。

時々、恋の悩みも聞いたりしてるんです。


と言っても、会うのは1年に3回くらいですけれど。



昔は片想いしてましたけど、今は違うんです。

好きは好きですけど、恋愛感情とは異なるので。



そうですねー‥言うなれば、親友でしょうか。



幼なじみって、小さい頃からお互いを知っているわけでしょう?


なんだか、それが恋愛では壁なんですよね。

知りすぎている、といいますか。




恥ずかしい思い出なんて、数え切れないほどありますしね。


例えば?



ええと、例えば………迷子になったこととか。


蝶々を一緒に追いかけていたら、森に入ってしまいまして。

気づいた頃には日暮れだったんです。


2人で手を繋いで歩いていたら、奇跡的に見覚えのある道まで戻れたので大丈夫でしたけど。





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