恋愛倶楽部【番外編】
なぬっ、朔とな。
せっかくの終との休息を、あの小さいヤツに邪魔されるとは……。
「なんでオレが、猫相手に遊んでやんなきゃなんねんだ?」
終のベッドでくつろぎながら、ヤツは眉間にシワを寄せた。
まったく、物分かりの悪い人間だ。
遊んでやるのは、吾が輩のほうである。
「そう言うな。
クロも朔と遊びたがっているではないか」
いいや、そんなことは決してない。
むしろ逆である。
が、困ったことに終は気づいていないようである。
「仕方ねーなー。
よしっ、猫じゃらしで遊んでやるぜ!」
知らぬ間に朔も、やる気を出してしまったようである。
猫じゃらしを持って、吾が輩の目の前にやって来る。
「朔、そういえば凪兎に会わなかったか?
あやつは最近、思い詰めた顔をよくするのだが」
吾が輩は、本能のままに猫じゃらしに食いつきつつ、2人の会話に耳を傾けた。
「ん?なっちが思い詰めた顔?」
「うむ、きっとあれは想い人ができた証拠でないかと考える」