私の隣の狼さん。
屋上のドアを開けてそのまままっすぐ走ると、フェンス越しに綺麗な景色が広がる。
「うわあ!綺麗」
「なんかいいな、こういうの」
近くにいた西野君が、景色を見つめながらぽつりと呟く。
その目はまっすぐに前を向いていた。
真っ黒で綺麗な瞳……
私達はそのまま歩いて、フェンスの近くに腰掛けた。
そのまま暫く会話がなかったけど、その沈黙を破ったのはタケ君だった。
「あー……こういうの彼女と見たい」
「タケ君彼女いないの?」
「うん」
ええ!タケ君に彼女いるって思ってた。
すると優子ちゃんが口を開く。
「タケは食欲並に性欲がすごいからね」
「いや、それ俺だけじゃないっしょ!」
ぎゃははと豪快に笑う優子ちゃんは素敵だな〜。
横でくすくす笑う真由ちゃんも可愛い。
「ていうか、こんな可愛い女の子2人もいてタケ君、よく放ってられるね」
「俺は食べてって言われたらいつでも食べますよ」
「何それ!お前が食べたいって言ったら食べさせてやるよ」
優子ちゃんとタケ君はお似合いだとも思う。
ていうか、タケ君は優子ちゃんと話してると幸せそう……
なんて考えてると、真由ちゃんがこそっと私の耳元に顔を寄せた。