私の隣の狼さん。
 





「早速で本当に悪いが、クラスの今の席順をこの紙に書いてほしい」

「はあ」

「クラスの今の席順をこのまま固定するつもりだからな」

「はあ」

「もうすぐ西野来るはずだから、
 このこと説明しておいてくれ、じゃっ」



そう言って、さっさと簡単に説明され白い紙を渡された。
さっさっと済ませて先生はそそくさと教室を出て行く。
……ていうか、先生なんで逃げるように去って行く訳〜?!



「……あーあ」


友達作ろうって思ってたのに。
クラスの子に「一緒に帰ろう」って言いたかったのに。
これじゃ友達1人でもできないじゃん。




私は自席について、ふうっと溜め息をついた。
外ではきゃっきゃと騒いでる女の子達がたくさんいる。
あー眩しい眩しい。私には眩しすぎる世界よ。


やっぱりちょっと羨ましい顔をしてる私。
唇を尖らせて、外をじっと見つめていた。



「……わりい、遅れた」




 
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