私の隣の狼さん。
「え、西野君好きな人いるの?」
誰?!と私が聞くと、皆黙って、それから優子ちゃんが口を開いた。
「まあ……多分もうHR終わったから今から学校出て遊ぼうよ」
「いいねそれ!遊ぼう遊ぼう」
「じゃあ、タケ達も行く?」
優子ちゃんがそう聞くと、「うん」とタケ君は頷いて、立ち上がった。
西野君も、さっきから一度も喋ってないユーキ君も立ち上がる。
真由ちゃんも優子ちゃんも。
そのまま私は優子ちゃんと真由ちゃんに挟まれて、屋上から出た。
それより、西野君の好きな人って誰なんだろう?
まあ、それは今度また直接聞けばいいや!
「ほら、雛乃早く!」
「歩くの遅い!真由は速すぎるけどね」
「ごめんごめん」
今は、まだこの幸せ噛み締めてたいの。
友達が1人もいなかった、中学の頃の自分と違った日々を……