私の隣の狼さん。
 



聞き覚えのある声。


その声がしたと同時に、ドカッという音が耳に届いた。
男は私の腕から手を離して、地面に落ちていった。

すぐ視界に入る、綺麗な赤い髪の毛。



そこにあったのは、西野君の姿だった。
西野君はその男の人を見下げる。


「なんだお前、西高の」

「あんたは あ、赤髪の……」


男は西野君が喋り終わる前にガクガクと震えながらそう言って、仲間と一緒に去って行った。



 
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