私の隣の狼さん。
 



 

気がつけば、俺の家はもうすぐそこにあった。
ユーキは先に家に着く。


「てか、これから暇だよな」

俺は立ち止まって道端に転がっていた小石を蹴った。

「じゃあ、今から亮太の家行こうかな」

「おーいいぜ、ゲームソフト持ってこい」


じゃあ後で、と言ってユーキは自分の家の玄関を開けた。
そしてバタリと音がして、ユーキの姿は見えなくなった。
何度見てもユーキの家の庭の雑草はすごい。


つーか久しぶりじゃねぇか、ユーキと2人で遊ぶの。
何ヶ月……いや何年ぶりだ?小6の頃に遊んだ記憶しかねぇ。


ちょっと楽しみになって、俺は遠くへ飛んだ小石を追いかけてもう一度蹴った。



 
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