私の隣の狼さん。
 



こんな赤い髪の毛が素敵なんて、言われたこともねぇ。
女も男も怖がって俺を避ける、高校でもそうだと思ってた。
高校でも、今ここに集まってる奴らだけいればそれでよかったけど
あんな顔であんなこと言われたらもう「惚れろ」って言われてるようなもんだ。


「ああ、一目惚れだよ」

「ひゅー」

「うるっせえ!」


冷やかすタケの頭を俺がバシン、と叩く。
なんか恥ずかしい。

「ていうか、その子なんて名前なの?」

タケの隣にいた優子が聞いてきた。

「ああ、同じクラスの坂口って奴」

「え?あの模試1位の?」

「俺が負けた子」

「えー!同じクラスじゃん」

「だから今言ったじゃねーか」

優子が「そうだっけ?」と言うと皆笑った。

気づけば俺は、座席表を書き終わってしまっていた。



 
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