私の隣の狼さん。
 


「よし、んじゃ帰るか」

「お前、もう書き終わったのかよ」

タケが座席表を持って大きな声で言った。
俺は座っていた椅子から立つ。
持ち手のある鞄をあえて背負ってから教室を出た。

「お前らが来るのが遅せーんだよ」

「は?お前が呼ぶのが遅いからじゃん」

「ていうか待てよ!」

俺は後ろから走って追ってくる4人から逃げるように走った。
後で止まってやったら息を荒らした4人が「何お前笑ってんだよ」と言ってきた。


どうやら俺は笑ってたらしい。
不思議と顔がニヤけてくる。きもいと真由に言われたのも無理ねーな。


こいつらがいる。
そして坂口がいる。
高校生活、すごく楽しみだ。



 
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