僕の存在理由と君の存在価値
中学3年生
季節は、冬。
僕は天野美希。
一人称が"僕"なだけの普通の女の子だよ。
「美希!美希!美希!」
いまの季節は、冬。
年を明ければみんな受験に忙しくなるだろう。
「慌てて、どうした?」
ショートボブっぽい髪型の彼女は、佐久間菫。
ハキハキしていて気分屋で学校では一番仲が良いんだと思う。
「とりま、1組行くよ!」
そう言って僕の手を引き、寒い廊下を早歩きして1組の教室に入る。
ガラッ
「‥‥‥‥何その頭、笑えんだが」
真っ黒だったはずの髪の毛が真っ赤になっていた。