僕の存在理由と君の存在価値
どんどん深くなる。
「まっ‥優っ太‥」
力をいれて優太から離れると、何で?って顔をする優太。
「そろそろ戻んないと‥」
「そうだな‥」
下げた腕を僕の背中に回して、僕をギュッと抱き締める。
「先に戻ってて」
優太が笑う。
僕は優太の腕から抜けて、部屋に戻った。
部屋は充分過ぎるほど暖かくみんな出来上がっていた。
菜摘はこーちゃんの膝枕で寝ていて、こーちゃんはりーちゃんと語り、ユキとリョージは潰れてて、颯太は唐揚げを食べながらテレビを見ている。
ーーとりあえず座るか。
冷蔵庫から缶チューハイを取って、颯太の隣に座る。
「唐揚げ気に入った?」
頷く颯太。
ーー何か嬉しいな。
「はい、アーン」
颯太は、さっき僕がしてあげたみたいに唐揚げをつまみ僕の口のとこへ‥
「あ、アーン‥」
颯太は僕の口に入ると、僕が噛んだのを確認して
「おいしいでしょ?」
まるで自分が作ったかのように楽しそうに僕に聞いてくる。
「うん、おいしい」
笑顔を向けると颯太も笑顔になって、とても幸せな時間だった。
それから優太さんが戻ってくると、
「莉杏眠たいから、優太の部屋行こうよぉ」
と、りーちゃんと優太さんは優太さんの部屋に行った。
その頃にはこーちゃんも寝ていた。
リビングには颯太と僕だけ。
颯太はリビングのドアが閉まったのを確認してから、自分の部屋に行くつもりなのか立ってそのままリビングを出ていってしまった。
ー呑みなおそ、ひとりで。
ガチャ