僕の存在理由と君の存在価値
「美希じゃん」
顔が緩む。
みんなで呑んだあの日から、会っていなかったから。
「美希知り合い?」
ギャルっぽい女の子。
可愛いとは思うけど、俺のタイプじゃない。
「まぁ‥ね。」
曖昧な表情、そりゃ‥な。
話しを聞くと、ギャルっぽい子が菫ちゃんで、ショートの子が空ちゃん。
「優太さん、今日はひとり?」
「あぁ、みんなこれからは?」
みんな顔を見合せる。
「帰ろうかなって感じです」
まぁ隣にはショップ袋が並んでいるし、時間も時間か。
美希と話したいけどな‥
「よし!空帰るよ!」
菫ちゃんはいきなり立ち上がり、荷物を持つ。
「あ‥そっか。今日尚人さんとデートなんだった‥」
空ちゃんはいま思い出したように言う。
「美希は送ってもらいなね〜」
ものの1分でふたりは居なくなった。