僕の存在理由と君の存在価値
「美希には誠也くんがいるもんね〜」
小谷誠也は僕の彼氏。
サッカー部でポジションはゴールキーパー、優しくてあったかい人。
「まぁそういう事にしといて!」
違う理由もあったが言う必要はないと思った。
その後授業の始まりを告げる鐘が鳴り、僕は菫と自分の教室へと急いだ。
『さようなら』
SHRも終わり、帰りの支度をし始める。
僕の席は廊下側の一番前、前のドアから顔をだした誠也がニコニコしながら隣の席に座った。
「なんでそんなにニコニコしてんの〜?」
何か可愛かったからほっぺたでも摘みながら聞いてみた。
「美希の手冷たいからやだ〜、手つないどこうよ、ね?」
ほっぺたから手は離され、僕の左手は彼の右手に納まった。