僕の存在理由と君の存在価値
それからすぐに式は始まった。
来賓挨拶とか、校歌斉唱とか、まぁ在り来たりな普通の入学式。
「新入生代表挨拶、荒谷颯太。」
名前を呼ばれて壇上に上がるのは、緩く着くずした制服にキャラメル何とかで染めた髪の場違いなヤツ。
‥‥一瞬目が合った?
「えーっと、高校に入学出来て良かったです。これから3年間頑張ります。」
勝手に礼をして颯太は降りてきた。
式が終わり校舎までの道のりを3人で歩く。
「ほんとに颯太、ウケるわ」
「颯太おもしろいわ」
いまだに大爆笑している光輝と僕。
颯太は拗ねたように頬を膨らまして、しゃがみこんでいる。
「挨拶とか初めてなのー。」
ほんとに颯太は可愛い。
「おぅ、お前ら☆」