十人十恋-じゅうにんとこい-
「ありがとうございましたー」

「玲ぁー、休憩に入って良いわよぉー」

「はぁーい」

玲が返事した時、玲は俺の方に振り向いた。

「あ、ハルくん?」

「よ。働き者だなぁ」

玲が両親のためにがんばって働いてるところを見ると、

俺は情けなくなった。

「ここじゃ、立ち話もなんだし、他のところで休憩しよーぜ」

「うん。そうだね」

俺たちは、店の裏へ行った。

「土日、大変そうだな。勉強はしてんのか?」

「勉強はしてるよ。あ、そう言えばお父さんが、最近、『バイト募集しようかな』って言ってたよ」

「へぇ…、俺もやってみようかな…バイト…」

「うん。まだ、決定じゃないけれどね」

そして何故か、俺たちは、沈黙になった。

「あのさ、くだらないコトなんだけどよ、もし、玲がど●でもドアを持ってたら、ソレを使ってどこに行ってみたいんだ?」

「な、何か急だねぇ…、どこ行きたいって言われても…」

玲は何十秒考えて、「夜空を見たいっ!」と言った。

そうか、夜空か…

「夜空と言うより、星空が見たいわ」

星空か…夜のデートって言うのも良いな。

「へぇ」

「ハルくんは?」

「え?俺は…宇宙に行ってみたい」

玲は笑って「何か、すごいね」っつった。

しばらくして、玲の親父さんが玲を呼んだ。

そして、俺は家に帰った。
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