十人十恋-じゅうにんとこい-
白川紗江(シラカワ・サエ)。

彼女は僕のクラスメイトで、クラスの中心的存在。

素直で好奇心旺盛で可愛くて裏表が無くて…

まさに完璧な女の子。

誰にでも挨拶して、声をかける女の子。

僕は白川さんが羨ましい。だって僕は、弱虫で暗いからだ。

多分、このクラスの男は全員、白川さんを狙っているだろう。

僕もその中の一人だ。

数学の先生が来て、授業が始まった。

先生は次々と生徒に指をさして、問題を解かせようとしている。

白川さんってすごいなぁ…どんな問題でも答えられてる。

授業も終わりに近づいたので、先生は生徒に数学の問題集をするように指示した。

この公式、よくわかんないなぁ。

僕が問題を解いてるうちにチャイムが鳴った。

「今日はここまで。明日はこれの応用をやるから、復習しておくように」

と言い残して、教室から去った。


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