十人十恋-じゅうにんとこい-
「今、美月は動揺してるので、僕が説明しても良いですか?」

「ええ、良いわよ」

とヤンは淡々とさっきのコトを説明し始めた。

そして、それを聞いた、所長さんは「それなりの処置をしないとね」

と顔は笑ってるけど、目が笑ってない表情で返事をしてくれた。

「実は、殆どの女の生徒がその人の事を相談しに来ててね、未遂だけどそんなコトがあったから…、至急に理事長を呼ぶわ」

「は、はい、ありがとうございました…」

「いえいえ、彼は女の敵よ。それに美月、アナタは授業に出なくて良いわ」

「え?どうして?」

「怖かったでしょう?それに心が傷ついたでしょ?だから、アナタはしばらく、カウンセリングが必要よ」

と言われ、アタシは授業に出なかった。

安心したのか、また涙がポロポロ出てきて、所長さんはティッシュをアタシに渡してくれた…

ズビーッ!

「ヤン、美月のコト、ありがとう」

「どういたしまして」

とヤンは言って、クールに次の授業に行った。

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