十人十恋-じゅうにんとこい-
お昼休みが終わって、僕達は教室とか掃除した。

女友達の美月(ミツキ)ちゃんがアメリカに留学していて、たまに連絡くれるんだけど

美月ちゃん曰く、「自分の教室を掃除しているのは日本の学校だけ。アメリカでは、掃除してくれる業者さんがしてくれる」なんだとか。

でも、僕は掃除も好きだから別に業者とかいらないけど。

五月になると本当にだるくなるなぁ~。

もう掃除したくない。

でも、担任が監視してるので、サボれない。

ハァ。

溜め息を吐いてから、顔を上げて右を見ると、白川さんが居た。

その時の白川さん、髪の毛を一つに束ねて、可愛かったなぁ…。

白川さんを見習って、掃除をしていたら、チャイムがなって、ほうきやちりとりを教室の角のロッカーに片付けた。

五時間目が過ぎて、六時間目が過ぎて、放課後になった。

ハァ、今日も一日疲れた~…。

僕は家にそそくさと帰って、今晩の献立を考えていた。

最近、マジで献立考えるのメンドクサイな。

五月病だからか…。

ハンバーグ、カレー、肉じゃが、スパゲッティ、焼き魚、どれが良いだろう…。

「ただいま~…」

「おかえり、母さん。今晩、何食べたい?」

「カレーうどん」

「わかった、ちょっとしたら、買出しに行ってくる」

「んーあんがとー」

僕の母さんはキャリアン・ウーマンでアパレル関係の仕事をしていて、父さんは建築家。

両親は朝早くて、夜しかいない。

僕は制服から、白の長袖のT-シャツにジーパンと言う、ラフな格好をして、家から出て行った。



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