十人十恋-じゅうにんとこい-
プロムまでの日にちが、後一週間になった。
ドレス、良し。
勝負下着、良し。
よし、がんばるぞー!
ヤンのお姉さんもプロムに行くみたい。
そして、ドレスの手伝いもしてくれるみたい。
今は夜中。
お昼ねしちゃったので、眠くない。
どうしよう。
パソコンを立ち上げて、シープをしてみた。
あ、宏ちゃんがオンラインだ。シープしてみよ。
ぽわわんぽわわん。
「やっほー☆元気?」
「フラれたから、元気じゃない。でも最近、白川さん、赤い顔して僕を見てくる」
「それって相手も、宏ちゃんのこと、好きなんじゃないの~?」
「でも、ソッポ向かれるんだけど…」
この鈍感男のせいで、アタシもあきらめたんだよね。宏ちゃんのコト。
「君は実に鈍感だな~、宏ちゃん」
「人によって、好意のサインは違うけど、あれじゃない?その、紗江ちゃんって言う子は、好きな人の視界に入っていたい。でも、一緒にいるとドキドキして、目も会うことすら、出来ないタイプじゃないの?」
「へー…」
「へーじゃない!早く行動に移しなさいよ」
「でも、どうすれば良いんだ?」
「また、告白すれば?今の彼女なら、絶対にOKだよ~」
アタシの部屋の近くの階段から声がした。
「誰か、いるのかしら…?」
「あ、ヤバ、ホストマザー、起こしたかも。じゃあ!」
アタシはシープを急いで切った。
ハァ…